気候風土の影響を強く受けるものの一つに「食」があります。
地元でとれた食材を使った料理には、まさにその土地の歴史や風土がつまっていると言えるでしょう。
全集「伝え継ぐ 日本の家庭料理」は、そんな日本各地のさまざまな風土のもとでつくられた家庭料理を聞き書き調査によって集めた、他にはない料理書です。
なかでも今回おすすめする『四季の行事食』は、新春、ひな祭り、お盆、土地の祭りや冠婚葬祭など、その土地の人々が特別な日に用意する料理を集めています。
つくりかたはもちろん、人々がどんな願いを込めてその料理を考え出してきたのか、家庭料理を通じた人と風土のかかわりが記録されている一冊です。