オピニオンリーダー インタビュー

2018.11.27
Vol.002

多摩地域のオピニオンリーダーインタビュー東日本旅客鉄道株式会社執行役員八王子支社長 坂本浩行氏

TEXT BY 石原 靖之

「東京アドベンチャーライン」について語る坂本支社長

自然豊かな青梅線青梅駅~奥多摩駅間の愛称が
「東京アドベンチャーライン」に

JR青梅線の青梅駅から奥多摩駅までの間の愛称が、2018年9月から、「東京アドベンチャーライン」と命名されたのをご存知ですか。カラフルでかわいいロゴも決まり、オリジナルの商品も誕生、ラッピング列車も走っています。なんだか楽しそう~! いったいどんなプロジェクトなのか、JR八王子支社長にインタビューしてみました。

八王子支社の管内は、多摩地域と、山梨県全域 ※身延線は除く

——

「東京アドベンチャーライン」の狙いは?
どんな取り組みですか?

JR青梅線、特に青梅駅から奥多摩駅の沿線エリアは、新宿駅から奥多摩駅まで90分ほどという立地にありながら、自然豊かで、清流が流れ、ここが東京かと思うほど、旅情あふれるエリアになります。

最近では、山登りブームで、この地を訪れるシニア世代のハイカーが年々増えています。また、家族やグループで訪れて、カヌーなど川遊びを楽しむ人が増えています。

このエリアのそんな魅力をもっと積極的にアピールして、より多くの方に来ていただき、楽しんでもらおうというのがこの取り組みの目的です。

時刻表を見てもらえばわかると思うのですが、ここ十数年、JRではいくつかの路線に、正式名とは別の愛称をつけています。青梅線のうち、青梅駅から奥多摩駅の路線にも愛称をつけ、より親しんでいただこうというのが狙いです。

「東京アドベンチャーライン」という愛称に決めたのは、東京の中にこんな緑が豊かでさまざまな自然体験ができるエリアがあるということを知っていただくため。「アドベンチャー」という言葉の頭に「東京」という文字をつけました。

青梅駅~奥多摩駅エリアをアピールして
もっと元気に、人気エリアに

——

具体的にはどんなことが行われるのでしょうか?

「東京アドベンチャーライン」の正式なスタートは9月からですが、すでに2018年7月から、車両にイラストが入り、座席のモケットを変えたり、床に魚が泳ぐ絵を描いた列車「ラッピングトレイン」が走っています。夏から少しずつ盛り上げるため、山でハイキングをしたり、ライフジャケットを着てウォーターアクティビティを楽しんでもらう提案などを行なってきました。

また、9月中旬の記者会見で愛称の正式発表だったので、事前にお知らせできませんでしたが、夏の間に「東京アドベンチャーライン」のロゴのデザインを募集しました。20以上の応募作品の中から、地域の方々にも入っていただいた投票により、青梅在住のデザイナー・沼倉智弓(ぬまくら・さとみ)さんのロゴを選出させていただきました。

青梅在住のデザイナー・沼倉智美(ぬまくら・さとみ)さんのデザインが選ばれました

このロゴを使って、ミニフラッグや缶バッジ、ポスターなどを作り、広報がスタート。この愛称とロゴを使ったオリジナル商品も作っていく予定で、すでにミネラルウォーターやTシャツ、せんべいの販売を開始しています。

10月中旬からは、「東京アドベンチャーライン」のロゴヘッドマークを付けた列車の運行をはじめました。ぜひ沿線で見つけてください。

——

子どもにもわかりやすいし、かわいいロゴデザインですね。
気持ちが楽しくなります。

ありがとうございます。ムササビがかわいいといってくださるお客さまもいらっしゃいます。

当社は、地元の方といっしょに奥多摩駅の2階に「ポートおくたま」というカフェを作ったり、レンタサイクルをやっている方々と連携したり、地元のクラフトビールの応援をしたり、奥多摩駅前で「おくたマルシェ」や「OKUTAMA FEST(オクターマーフェスト)」といったイベントを開催するなどさまざまな取り組みを行ってきました。また、「青梅線・五日市線の旅」という観光パンフレットを春号、夏号、秋号と年3回発行してきました。

毎回大盛況の奥多摩駅前で行われる「おくたマルシェ」

「青梅線・五日市線の旅」2018年冬号

今後は、奥多摩駅では、待合室を充実させ、登山客の足洗い場や更衣室・カフェなどを整備し、アウトドア拠点としての機能を充実させたり、御嶽駅ではレンタサイクルの拠点をつくるなど、順次、駅の改装も進めていく予定をしています。

いろいろなところで「東京アドベンチャーライン」のPRキャンペーンも行っていく予定です。ぜひご期待ください。

1 2

東日本旅客鉄道株式会社

詳しくはhttp://www.jreast.co.jp/hachioji/