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イマタマ ソーシャル インタビュー多摩の未来を創ろう。

2023.03.29

日本に「サイダー文化」を根付かせたい第1回 inCiderJapan合同会社 リー・リーブ氏 吉岡リーブ真依子さん

第1回目は、八王子駅近くの東京都立多摩産業交流センター「東京たま未来メッセ」で4月22日、国内外のサイダー(リンゴ酒)の魅力を発信する国際的なサイダーの祭典「Japan Cider Cup(ジャパンサイダーカップ)」を主催する、「inCiderJapan」(インサイダージャパン)合同会社代表のリー・リーブさんと奥様で共同代表の吉岡リーブ真依子さん。イベントの趣旨や、サイダー(リンゴ酒)の魅力、目指すところなどをお伺いしました。

TEXT BY 太田知子/石原靖之
日本に「サイダー文化」を根付かせたい

代表のリー・リーブさん(右)と奥様で共同代表の吉岡リーブ真依子さん

日本のクラフトビール定着に貢献

リー・リーブさんはスコットランド生まれスコットランド育ち。若い頃から自家醸造のサイダー(リンゴ酒)が好きでよく飲んでいたといいます。フランス語の「シードル」の名で知られるリンゴの発泡酒は、英語圏では「サイダー(Cider)」と呼ばれ、日常生活の中で身近に飲まれてきました。近年では世界中で人気が上昇していて、日本でも生産者やサイダーを提供する飲食店が増えてきています。

世界から選んだサイダーはネット販売も。 https://www.inciderjapan.com/ja/

リーブさんは日本人の友人に誘われて2001年に来日。鹿児島県の屋久島に住んだ後、横浜に拠点を移し、ビール関係のコンサルティングを行っていた縁で、クラフトビール専門の和英バイリンガル情報誌のライター兼編集長となり、クラフトビールの普及に尽力してきました。いわばリーブさんは、日本にクラフトビールを流行らせた仕掛け人の一人ともいえます。その横浜時代に真依子さんと出会い結婚。2年前に八王子市に転居。現在、同市に住まわれています。

でも本当に好きなのはサイダーだった

クラフトビールが日本に定着化していく中で、リーブさんが次に日本に定着させたいと思ったのが若い頃に飲んだサイダー(リンゴ酒)でした。

「2013年頃からサイダーのリバイバルブームがアメリカなど英語圏で始まり、その後世界中で人気が上昇していることから、クラフトビールの次は私が若い頃から親しんできたサイダーのブームが日本にも来る」と思ったといいます。

「Japan Cider Cup」で販売されるサイダーの一部

サイダーを普及するため情報誌を発行

2017年にリーブさんは妻の真依子さんと、「日本にサイダー文化を根付かせよう」とリンゴ酒専門の無料バイリン情報誌「inCiderJapan」を発刊。日本シードルマスター協会と連携してサイダーの普及イベントや品評会などを開催してきました。

18年に「inCiderJapan合同会社」を設立。19年12月にオーストラリア、アメリカ、イギリスから高品質なサイダーの輸入をスタート。22年11月からは、主に一般消費者が国内および海外11か国のサイダーを審査して一番人気のサイダーを選ぶ独自の「テイスティングコンペティション」を開催してきました。

お客さまと生産者を結ぶ「Japan Cider Cup」を開催

日本はもとより多摩地域でもまだまだサイダー(リンゴ酒)のことを知らない人は多くいます。サイダーの魅力は? サイダー文化とは? どんな楽しみ方をするのか。4月22日に開催する「Japan Cider Cup」は、ファンおよびサイダーに馴染みのない一般消費者がサイダーの多様性や魅力を知ってもらうイベントです。

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当日は各部門で最も人気を集めたサイダー「Japan Cider Cupアワード」の受賞式が行われ、参加者全員でお祝いをします。この日は海外のサイダー生産者も来日し、トークショーを行う他、国内外のサイダーの試飲・販売、サイダーに合うフードの紹介、サイダーやグッズの抽選会も行われます。また、八王子および多摩地域の飲食店や事業者のブース出店も行われます。

リーブさんは、「サイダーを通じて出会った、日本をはじめ世界各地の生産者が一堂に集まるイベントです。造り手同士、造り手と飲み手、飲み手同士がサイダーを通じて新たに出会い、飲み手の声が生産者に届いたり、国際交流が生まれるイベントにしたい。また、結果が出て終了でなく、受賞したサイダーを会場で紹介したり、審査会にエントリーしたサイダーを情報誌に掲載するなど、日本のサイダー普及につなげていきたい」と話します。

さらに真依子さんは、「当日は地元八王子市をはじめ多摩地域の飲食店や事業者のブース出店もあります。消費者との交流や地元の方の交流の場などになればうれしい。多摩地域から日本のサイダー普及の流れを起こしていきたい。Japan Cider Cupは入場無料ですのでぜひ多くの方に来場して欲しい」と話します。

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Lee Reeve(リー・リーブ)代表 PROFILE

イギリス出身。「inCiderJapan」合同会社のオーナー兼経営者。コンサルタントとして、世界のサイダーシーン及び市場の第一人者として知られる。セミナーの開催や依頼講演も。これまでには、アメリカ合衆国やオーストラリア、中国、英国で開催された著名なカンファレンスなどでキーノートスピーカーを務めた。2023年、新たなピープルズ・チョイス形式のサイダーアワード、Japan Cider Cup(ジャパン・サイダー・カップ)をローンチ

Japan Cider Cup 概要

日 時/4月22日(土)11:00~18:00
会 場/「東京たま未来メッセ」展示室A 八王子市明神町3丁目19-2 042-697-0802 JR八王子駅から徒歩5分 京王線八王子駅3番出口から徒歩2分
主 催/inCiderJapan合同会社 イベントパ-トナー:Fermentis by Lesaffre
後 援/Vigo Presses、(公社)八王子観光コンベンション協会、八王子市
問い合せ/090-2226-9478(吉岡)
 
撮影協力/立川 Adam’s awesome PIE(アダムス オーサム パイ)
https://adamsawesomepie.owst.jp/
撮影/黒田清哉