日野市観光協会のホームページに記されている「新選組のふるさと日野」の文字。そう、ここ日野には市内のあちこちに有名な白い三角のダンダラ模様の旗がゆれています。また、日野駅から徒歩15分の「新選組ふるさと歴史館」では、剣豪集団の一面に加え、歴史の中での新選組の位置づけが分かる展示などが行われています。
日野市と新選組の所縁は、土方歳三の出身地であること。日野市石田の生家が「土方歳三資料館」として公開されていて、稽古に用いた木刀などを見ることができます。また彼の菩提寺である高幡不動尊には銅像が立ち、境内の一番奥の大日堂には位牌が納められていて、5月には「ひの新選組まつり」が行なわれます。
全国にファンが多い幕末の人物の生誕地であると知ると、その歴史が急に身近に思え、日野市を訪れてみたくなります。
1月28日、初不動大祭のこの日。高幡不動尊の境内はだるまで覆い尽くされます。例年100軒に届くかという軒数のだるま商が店を出し、起伏に富んだ境内は見上げても見下ろしてもだるまの赤しか目に入らないほどです。
だるまを求める人は毎年同じ店に行くと聞きます。顔なじみになって一年ぶりの再会を喜び、次のだるまを持ち帰るそうです。
朝早くからだるま商は開店の準備。赤い胴に白い顔、立派なひげを蓄える多摩だるまがほとんどですが、中には高崎だるまの幟も見えて遠方から出向いてきていることもわかります。最近は赤以外に金や銀、黄緑色といったカラフルなものや、キャラクターや動物をかたどったものもあって軒先を眺めるだけでも楽しめます。
1月の実施ということもあり初詣を兼ねて訪れる人も多く境内はたいへんな混雑に。しかしながらそんな中を“これからたくさんの人の願い事を受け取るだるまたちの間をぬって歩く”のがだるま市ならではです。このだるま市は2月3日の節分にも行われます。
また調布市の深大寺など、多摩地域各地にも有名なだるま市がありますので、歩き比べをしてみるのもいいかも知れません。
写真提供:茂垣貴子
●DATA
[データ]
開催時期/例年1月28日
住所/東京都日野市高幡699
高幡不動尊ホームページ/
https://www.takahatafudoson.or.jp/
アクセス/京王線・多摩モノレール高幡不動駅より徒歩5分