東村山市で、昭和初期の創業より約95年の歴史を誇る「清水屋」。都内唯一の国宝建造物である「正福寺千体地蔵堂」からほど近い、都道128号沿いの商店街にあります。
扉を開けるとスッキリとした広い店内。そこには、多くの人のお目当てでもある大人気の銘菓「千体地蔵最中」をはじめ、数々のオリジナル和菓子がお出迎えしてくれます。
お地蔵さんが型取られたパリパリ最中。中には、北海道産の大粒小豆を3日間かけて作った餡がぎっしり。もっちりとしたぎゅうひ餅がアクセントになっています。
当時の人々は願い事があると地蔵堂にある像を一体借りて家に持ち帰り、願いが叶うと、別に一体を添えて奉納し、それがいつしか千体ほどになったと言われています。そんな歴史が垣間見える一品です。
和菓子にとらわれず、幅広い商品を取り揃える「清水屋」では、ショーケースの他に中央のテーブルや壁際の棚まで、和洋折衷のたくさんの種類のお菓子が並びます。
その豊富なラインナップや1つ1つ丁寧に作られるお菓子の評判は広く知れ渡り、先日閉幕した東京オリンピック2020の際に東京都が作成した、英語のガイドブックにも掲載されました。
昭和元年を迎えるころ、初代店主國平さんが創業した「清水屋」。
現店主の松本國秋さんは三代目。先代から清水屋を受け継いで約40年もの間、この街で変わらず伝統を守り続けている和菓子職人です。
現在は、お話し好きな明るい奥様と二人でお店を切り盛りしています。
こだわりは、地元の新鮮で信頼できる食材を使用すること。先代の教えを大切にしながらも、幼いころから和菓子に慣れ親しんだ三代目ならではの発想で、常に新しい和菓子を創りあげています。
例えば、東村山市を舞台に2015年に公開された映画「あん」は、「どら焼き屋」が主人公。それを題材に創られたのが「塩どら」です。アクセントに塩漬けの桜をのせて塩気をきかせることで、切なくも心温まるストーリーを表現しています。
畑のエメラルド、シャインマスカットは大福でいただきます。
東村山産のシャインマスカットを一粒丸ごと使用し、白あんと一緒にぎゅうひで包んだ贅沢な一品です。
またこちらの「どらやき多摩湖梨」は、梨の果実感がダイレクトに伝わってきます。素材感を楽しめるよう梨のコンフィチュールを餡に入れて、ふわふわに焼き上げた生地に挟んでいます。
東村山産のブルーベリーは、饅頭とゼリーに仕上げました。
どちらも濃厚で、ひとくち食べれば甘酸っぱいブルーベリーのおいしさがジュワッと口いっぱいに広がります。
穏やかな口調で丁寧に商品説明をしてくれた松本さんは最後に「東村山の特産をもっとたくさんの人に知ってもらいたいです。これからも地元の農家と協力し合って、おいしいお菓子を届けていきます」と、はにかんだ笑顔とともに話してくださいました。
●●●DATA
清水屋
所在地/東京都東村山市野口町2-4-1
営業時間/10:00~18:00
定休日/水
電話番号/042-391-0172
Instagram/https://www.instagram.com/shimizuya_tokyo/
Facebook/https://www.facebook.com/清水屋東村山銘菓の店-1620805998181288/
その他/Uber Eats, PayPay利用可能
2021/09/21