コンテストの入賞や、富士フイルムフォトサロン東京で最年少で個展を行うなど大活躍の若き動物写真家、藍沙(あいしゃ)さんの写真展が日野市内で開催されています。
多摩モノレール万願寺駅より徒歩10分。子供が丸一日思いっきり遊べる大きな公園“万願寺中央公園”の中にある“万願寺交流センター”に、手作りの彼女の写真展が設けられています。
鮮やかで美しい背景と調和し、今にも飛び出してきそうな躍動感のある野鳥達の写真約25点が展示されています。
初めて話した言葉が「ワンチャン」「にゃあちゃん」だったというほど、小さなころから動物が大好きだったという藍沙さん。
お父さんの影響で幼い頃から身近にカメラがあり、自然と動物の写真を撮るようになったそう。本格的に野生動物を撮ってみたいと弟子入りした師匠から与えられた課題は「カワセミ」。青い宝石と呼ばれるほど美しく、日野市の鳥でもあります。
360度動き回る小さなカワセミを写真に収めるのは至難の業。試行錯誤して苦労して手探りでシャッターを押し続けました。飛び立つ姿や一瞬の動きをとらえるのは容易ではありません。しかし難しいからこそ、うまく撮れたときの喜びもひとしおです。
2020年3月後半、桜シーズンの東京に突如雪が降ったことを覚えている方も多いかもしれません。「桜と雪」は確かに美しい。この時、シャッターを押しながら怖さも感じたという藍沙さん。
カメラ越しにカルガモが困惑している様子を目にし「こんな時期に雪が降るなんて……。自然のバランスが崩れているのでは?」と、その出来事が強く心に残ったとのこと。
生き物が好きで、季節の移り変わりと共に彼らを写真に収める日々。自然と共に生きていく小さな生き物たちを追い続けた彼女だからこそ、自然の小さな変化や異常さも敏感に感じることができるのでしょう。
「実際は鳥に振り回されていることが多いんですよ」。とはにかみながら話す藍沙さん。
人のように指示を出して「ここに止まってこっち向いてね」というわけにはいかないのが生き物。美しく撮られた一瞬に彼女のセンスと腕が光ります。
野生動物への愛にあふれた若き写真家から、これからも目が離せません。
高校1年生、15歳の少女の目に映る多摩地域の自然。そしてその中で生きる野鳥たちの事を知ってほしいという願いがこの写真展には込められています。
「人間からしたら何てことないかもしれないたった一本の木が、小さな野鳥たちの棲み処で、そこで子育てをしている。そういったことを想像してもらえたら、野生動物と人間がともに楽しく幸せに暮らしていけるのでは?」と日々感じる想いも口にしてくれた藍沙さん。
小学校4年生で日野市に引っ越してから、東京と言えども自然がいっぱいあるのに驚き、野鳥がたくさんいて「こんなに可愛い隣人が私のそばにいるんだ!」と気付いたそう。最後に『可愛い小さな野鳥を守ってあげたい』柔らかく、そして真のある言葉を紡いでくれました。
●●●DATA
【藍沙写真展】「東京の野鳥たち&いきもの大好き」
住所/万願寺交流センター(東京都日野市万願寺4丁目20−12)
電話番号/042-589-7272
開催期間/10月3日~12月26日
営業時間/10:00~17:00(最終日15:00まで)
入館料/無料
●藍沙さんの活動はこちらからもご覧になれます
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Instagram/https://www.instagram.com/photosaisha/
2021/11/16