厳選した国産大豆・にがり・水だけで、昔ながらの豆腐を作り続ける『とうふ処三河屋』。今では数少なくなりつつある「まちのお豆腐屋さん」としてここ日野市で商いを続け、約50年。「三河屋さんのお豆腐を食べたら、他のは食べられないよね!」と足しげく通う常連客が絶えません。
今回は創業者のお孫さんで、現社長の息子さんである3代目の吉野さんにお話を伺いました。実は三河屋に戻ってきてまだ1年半ほどだそう! 大手食品メーカーの広報として働いていた吉野さんが、令和の時代に繋ぐ豆腐職人のこだわりや技について話してくれました。
三河屋が創業したのは昭和45年頃。その頃は日野市にも20~30軒ほどの豆腐屋があったそうですが、今は日野市内にわずか2軒のみ。
お豆腐の生産は時代と共に機械化が進み、量産化され、いつの頃からかスーパーやコンビニで手軽に買えるようになりました。
現在は、高幡不動駅から徒歩7分ほどにある高幡本店と、甲州街道駅から徒歩5分ほどのより広くなった万願寺店を経営。どちらも多摩モノレールのガード下にあります。
そんな中『とうふ処三河屋』は今なお、全行程を昔ながらの手作業で行い、液体にできる泡を防ぐ食品添加物の消泡剤などを使わず、手間隙かけて仕上げています。気温や湿度、水温の微妙な違いに対応できる職人ならではの技が光ります。
「子供の頃は毎日食卓に豆腐が並んで、正直飽き飽きしていたんですよ。」と懐かしそうに語る吉野さん。ご本人の意思で家業を継ぐと決めて帰ってきたそうですが、久しぶりに食べた三河屋の豆腐は驚くほど美味しかったといいます。
その中でも「たった一人の職人にしか作れない!」と吉野さんが自信をもっておすすめするのが「万願寺豆腐」。茨城在来という希少な大豆を使用。風味の良さは大豆を煮ている段階からわかるそうで、大豆の味が濃く、絶妙な柔らかさに仕上がっています。三河屋の豆腐はまずはそのまま。その後、塩で食べるのがおすすめ。
豆腐に油揚げ、お惣菜を買いに来たお客さんが、ついでに買っていく人気商品が、豆乳ソフトに卯の花ドーナツ。豆乳ソフトはスペースの問題などで高幡本店では置けず、この万願寺店をオープンする際にどうしても商品化したかったそう。様々な条件もクリアし、販売に至りました。
大豆本来の素朴な甘さが優しく広がる豆乳ソフトは、ファンが大勢いるそう。人気のあまりソフトクリームを作る機械が止まってしまったこともあるほど! 体にやさしい、健康的で美味しいおやつは育ちざかりの子供や、ダイエット中の方にもおすすめです。
「豆腐は身近な食材ですが、ステーキやお寿司の様にメインにならないかもしれません」と吉野さん。豆腐に興味を持っていなくても「あれ?この豆腐、なんか美味しいね!」と、ふと口にしたときに実感してもらえるように、丁寧に作り続けていきたいのだと話してくれました。
創業当時から変わらず、今もなお、ラッパを吹いて豆腐売りをしているそう。「三河屋の豆腐を待ってくれている人がいる。丹精込めて手作りした豆腐を、自分達の手でその方たちへ届けたいんです」と思いを語ってくれました。
●●●DATA
とうふ処 三河屋
所在地/万願寺店:東京都日野市日野33-1
高幡本店:東京都日野市三沢4-5-20
営業時間/9:00〜19:30
休日/金曜日
電話番号/万願寺店:042-843-1112
高幡本店:042-591-4694
URL/https://www.mikawaya12.com/
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Twitter/https://twitter.com/TOFUmikawaya
その他/豆乳ソフトクリームは万願寺店のみ。
毎月12日の豆(10)腐(2)の日は割引あり!※12日が定休日の場合は前日
2021/07/05