西武国分寺線・小川駅、JR武蔵野線・新小平駅から徒歩圏内。車の行き交う国道16号を下り、左に折れてすぐ右手に、まるで小さな森のような場所が目にとまります。
トネリコやツタ、椿、ポプラ、ローズマリーなどの木々や緑が茂る庭、年季の入ったウッドデッキ、何気なく外に置かれた古い椅子、植物の装飾をあしらった錆びた門扉などが特徴的。そんな白い壁のコテージのよう建物が、小さな書店「草舟・あんとす号」です。
ここは花や草花のエネルギーを用いて心や感情をケアするフラワーレメディや、タロットによる気持ちのケアを行う「あんとす堂」が手がける植物専門の小さな書店。
店名は、オーナーの宮岡絵里さんがフラワーレメディやタロットの仕事の時に使っている屋号の「あんとす堂」と、お店のある小川という地名から「草舟」という言葉を思い付き、ふたつを合わせたのが由来です。「あんとす」はギリシャ語で「花」 を意味します。
植物の専門書店を始めようと思ったきっかけは、フラワーレメディを学ぶために2006年から6年間ハーブガーデンで仕事をしていた時に、元々本が好きだったこともあり、園芸コーナーに本があればいいなと思ったことでした。
その夢をまわりの人たちに語るうちに、「この場所が空くけどどう?」と声が掛かるなど、徐々に具体的になっていきました。その後、草木染の作家さんやオリジナルロゴを制作してもらうことになるイラストレーターのフランスガムさんなど、色々な人たちとの出会いがあり、だんだんとお店が形になっていったそうです。
植物にまつわる本を扱う専門書店らしく、ありとあらゆる分野の本が並んでいます。植物の研究者による自費出版本、植物学などの専門的な書物、博物誌、図鑑、写真集、またフラワーレメディや香り、植物の起源をたどるドキュメンタリー、小説、魔法、標本集なども置かれています。ここにないものはないんじゃないかと思うほどです。
植物が好きな方なら、ここに来れば 1 冊はかならず腕に抱えてお店を出ることになるでしょう。また、植物に興味がなくても、読んでみようかと興味をくすぐられる本に巡り合えるのではないでしょうか。
その他にも、植物画や作家さんの絵葉書や雑貨やハーブティの販売、種子の販売や交換コーナーがあり、 作家さんによる絵などの展示会も開催されています。宮岡さんが伝えたい世界観が店内にも扱うものにも溢れています。
特に印象的だったのが、ご存じの方もいるかもしれませんが「秘密の花園」というタイトルのイギリスの有名な児童文学が置かれていたこと。
宮岡さんがこの本を大切にしていることを理由に店内に置かれていますが、「植物と人間が放つエ ネルギーは共鳴しています。こうした本を通じて植物と人がもっと仲良くなれる、そんな場所になってくれれば嬉しい」と話してくれました。
ぜひお近くに寄った際は、植物に出会いに、「草舟・あんとす号」に行ってみてください。
●●●DATA
草舟・あんとす号
所在地/東京都小平市小川町 2-2051
電話番号/080-1330-5452
営業日/土曜日・日曜日、展示期は特別営業あり
営業時間/13:00-18:00
Twitter/@kusafuna_anthos
備考/10/15-10/23 yukane 幻想透明水彩画「繭の森 III 掌の月」展開催
(展示期間中は水木休み)
2022/10/20