癒しと季節を楽しむ、東京西エリア 青梅線・五日市線の旅

  • 中央線イラスト

秋川渓谷 春の花めぐり

秋川渓谷 春の花めぐり
2018/02/20

里山がカラフルに染まる春の秋川渓谷は、ゆったり巡って五感で味わいたい。おすすめ散策スポットをご紹介します。

このエントリーをはてなブックマークに追加
武蔵五日市 Musashi-itukaichi

世代を超えて守り継がれる、「花咲かじいさんのあじさい山」

 あきる野市深沢地区の「南沢あじさい山」では、地元に住む“ちゅういっちゃん”こと南澤忠一さん(87)が48年にわたり一人で育て続けた、約1万株もの色とりどりのあじさいを鑑賞できます。深沢の自然に囲まれた環境の中、杉や檜とともに生えるあじさいは6月中旬ごろ開花し、7月中旬に見頃を迎えます。

「あきる野の人の温かさが好き」という高水健さん

 あじさい山の後継者として名乗りをあげた高水健さんは、あきる野市の企業do-moの代表。do-moはレストラン「do-mo kichen CANVAS」の運営などを通して、あきる野地域の活性化事業を行う企業。あきる野生まれあきる野育ちの高水さんは、「忠一さんが長年守り抜いたストーリーのあるあじさい山を守りたい!」と、事業としてあじさい山を支援、維持することを決意したそうです。

 2017年実施のクラウドファウンディングは180万円で達成。苗植えイベントなども行ったこのクラウドファウンディングは、新聞社やテレビ局の取材も多く受け、大盛況に終わりました。

お山の約30種ものあじさいを守り続ける、ちゅういっちゃんこと南澤忠一さん

 あじさい山に咲くあじさいの種類はアナベルやヤマアジサイ、タマアジサイなど、全部で約30種類。

 「群生するあじさいはお寺の敷地などに多いですが、お山の自然の中に咲くあじさいを楽しめるのがここの魅力。杉など森の木々と、色とりどりのあじさいが共生している姿は、それはもう圧巻です」と高水さんは話してくれました。

 今年からはお山の道も整備され、より森の自然を感じながらあじさい鑑賞が楽しめるそうです。

do-mo代表 高水 健さん
「お土産品『ちゅういっちゃんのあじさい茶』も販売予定です」

南沢あじさい山

JR武蔵五日市駅から徒歩約30分 またはタクシーで約5分 入山料500円、駐車場代500円

☎090-5540-9100(do-mo)

武蔵五日市 Musashi-Itukaichi

里山がピンクに彩られる、あきる野の桃源郷乙津(おつ)花の里

 春の花と山々の景観が美しい「乙津花の里」。4月上旬頃から、鮮やかなピンクが特徴のミツバツツジや、ソメイヨシノ、枝垂れザクラ、菜の花、ヤマザクラなどが咲き乱れ、その景色はまるで桃源郷のよう。

 サクラとミツバツツジは2005年に200本ずつ、地域自治会により新たに植栽されています。植えた苗は徐々に育ち、近年花を付け始めているようです。自治体では下草の草刈りなども定期的に行い、里山の花々が美しく育つよう地域で保全活動を行っています。

 地区内には境内を春の草木が彩る龍珠院(りゅうしゅいん)や、カフェ、おやきが味わえる場所もあり、春の行楽にぴったりのエリア。また、紙すきなどの体験ができる工房や、温泉施設「瀬音の湯」もあり、ご家族やご友人と一日ゆったり満喫するのもおすすめです。

あきる野市乙津自治会長 浦野 龍治さん
「里山の風景と桜たちの織りなす景色は圧巻です」

乙津(おつ)花の里

JR武蔵五日市駅から檜原方面行きバス「荷田子(にたご)」バス停下車

☎042-558-1111(あきる野市観光まちづくり推進課)

武蔵五日市 Musashi-Itukaichi

都内一大きなヤマザクラ光厳寺(こうごんじ)の大桜

 光厳寺は、あきる野市戸倉にある臨済宗建長寺派の寺院で、その本山は鎌倉にあります。境内に咲く四本のヤマザクラは自生するもので、都指定の天然記念物になっています。畑の先に生える一番大きなヤマザクラは「光厳寺の大桜」の名前で親しまれ、なんと樹齢約500年とも言われる巨木。樹木医の手にかかり整枝などされながら、長年守り愛されているヤマザクラです。

 光厳寺のヤマザクラは4月中旬頃に開花を始めるそう。そして花よりも先に葉が付くなど、ソメイヨシノとは異なる特徴を持っています。光厳寺の付近は、エリア一帯も桜がきれいなことで有名で、地元酒蔵の銘柄にもサクラの名が使われているほど。「周辺を散策するのもおすすめ」と住職の金嶽さんは話してくれます。

 寺院から徒歩で行ける場所に、廃校を活用した体験施設「戸倉しろやまテラス」があります。「戸倉しろやまテラス」主催のツアーの一環で、光厳寺でも農業体験や座禅体験を開催しているそう。また光厳寺では、4月8日のお釈迦様の誕生日の日に合わせ甘茶を振る舞っているそうです。

臨済宗建長寺派 光厳寺(こうごんじ)

住職 金嶽 正邦(かねたけ しょうほう)さん
「山が芽吹く春は周辺散策もおすすめ。徒歩で行ける戸倉城跡からは都心まで一望できます」

JR武蔵五日市駅から檜原方面行き、または上養沢行きバスで「戸倉」バス停下車、徒歩約10分

☎042-596-0363

武蔵五日市 Musashi-Itukaichi

自転車に乗って、五日市エリアのファンになる、みんなの秘密基地

 「東京裏山ベース」は2016年に武蔵五日市駅前にオープンした、秋川渓谷の観光拠点的スポット。レンタサイクルのほか荷物預かりやシャワー利用など、観光に嬉しいサービスが充実の施設です。また施設内にはカフェがあり地場産素材のお土産も販売されています。

 秋川渓谷エリアには、春の自然と景色を満喫できる場所が多数あり、多くのアウトドア客や、撮影に訪れる方がこちらに立ち寄りレンタサイクルを利用しています。

 東京裏山ベースではサイクリングツアーのほか、トレイルランニング(登山道など山中を走るスポーツ)のイベントも開催。オリジナルのトレイルランニングルートが載ったマップ「武蔵五日市裏山ファイブ」は、施設内で無料で入手することができます。

 「手ぶらで何も調べずに来ても、ここに立ち寄ればエリアを存分に楽しめる。五日市を楽しむヒントが、裏山ベースにはたくさん詰まっています」と代表の神野さん。カフェ「Sketch」でゆったりコーヒーを飲みながら、その日の計画を立てるのも素敵かもしれません。

 「この地域は、かめば噛むほど味が出るような、何度も来ることでさらに楽しくなるエリア。裏山ベースを通じて、地域のファン、リピーターをどんどん増やしたいですね」

東京裏山ベース代表 神野賢二さん
「小庄という川沿いのエリアには、春爛漫の景色が広がります。自転車を降りゆったり進むのもおすすめ」

東京裏山ベース

レンタサイクル2時間未満1,000円、2時間以上(1日)2,000円 荷物預かり&更衣室利用400円、シャワー利用600円
※自転車は事前予約がおすすめ

JR武蔵五日市駅から徒歩すぐ 平日11:00~19:00、土日祝日7:30~19:00 水曜定休

☎050-1417-6751

このページの情報は特に記載のない限り2018年2月現在のものです。●料金、営業時間、定休日などは変更になる場合がありますので事前にご確認ください。●交通機関・徒歩などの所要時間は目安です。●掲載の写真・マップ・イラスト等はすべてイメージです。●イベントは内容・期間などが変更される場合がありますので事前にご確認ください。●花の見頃は気象状況に左右されますので、お楽しみいただけない場合もございます。