JR武蔵野線と南武線が利用できる府中本町駅のすぐ前に「国司館と家康御殿史跡広場」が整備されています。
ここは、今から1,300年ほど前に武蔵国府の国司館があった場所。さらに、今から430年ほど前に、徳川家康の府中御殿も置かれた府中市の歴史を象徴する国史跡です。
武蔵国府は、飛鳥~奈良時代の初め頃(7世紀末~8世紀初頭)から平安時代の終わり頃(11世紀)にかけて、行政機関として武蔵国を治めていました。さらに、水陸交通の要衝でもあったことから、政治・経済・文化の中心として栄えていました。
広場内には、国司館の歴史的価値をわかりやすく伝える1/10サイズの模型が作られています。主殿と脇殿の前の広場は前庭といい、様々な儀式が行われていました。前庭には国司等の人形が置かれています。模型の復元は、発掘調査の成果や建築史学の比較検討結果に基づかれています。
ここで復元した8世紀代の国司館は、奈良の都から武蔵国府に赴任してきた国司の宿泊地=生活の場でした。生活の場であるとともに、一年を通して、接待(饗宴)や歌会をはじめ、様々な儀式や宴が行われていました。都出身の国司の知識や教養に基づく最先端の文化が、ここ武蔵国の国府で花開いていました。
府中御殿は、天正18年(1590年)に、徳川家康が豊臣秀吉を接待するために造営したという説が有力でした。しかし、近年では、豊臣秀吉本人が御殿を造ったとする説も有力視されています。
発掘調査では、徳川将軍家の初期の「三葉葵紋」の鬼瓦が発見されたことから、ここに徳川将軍家の府中御殿があったことが証明されました。
徳川家康は、歴代将軍のなかでも、特に鷹狩りを好んだとされています。府中御殿は、家康が鷹狩り等を行う際に滞在した施設で、秀忠、家光の三代に亘って使われました。多摩川越しに富士山を望むことのできる府中随一の景勝の地であることや防備性も重視して、この地が選ばれたのかも知れません。
古代武蔵国府の国司館と徳川家康府中御殿のイメージを、よりリアルに伝えるため、人物が動くVR映像により、その様子が復元されます。
管理事務所で、ゴーグル型の“武蔵国府スコープ”かタブレット端末が無料で借りられ、そこに主殿の前で執り行われる儀式の様子や、古代の蹴鞠を再現したシーンが映し出されます。
中でも、徳川家康府中御殿で、家康が鷹狩りに行く前のシーンと多摩川周辺で行われた鷹狩りを再現したイメージ映像は想像力をかき立てられます。
※現在は新型ウイルス感染対策のため、武蔵国府スコープの貸し出しは行なっていません。再開に関しては下記ホームページをご参照ください。
●●●DATA
国司館 家康御殿史跡広場
所在地/東京都府中市本町1-14
営業時間/9:00~17:00(スコープの貸出は15:00まで、 返却は15:30まで)
定休日/年末年始
電話番号/042-335-4487(府中市ふるさと文化財課)
URL/https://www.kankou-fuchu.com/?p=we-page-entry&spot=239773
入場料/無料
2021/09/24