西武池袋線 東久留米駅西口から徒歩約5分。閑静な住宅街の一角に佇む、ノスタルジックな外観のシェア型複合施設「オナガハウス」。
シェアキッチンで飲食店やカフェ営業に挑戦したり、フリースペースでセミナーや体験会に参加したりなど、人と人をつなぐ地域のコミュニティの場となっています。
こちらで毎週金曜日に営業する『東京ミンタル』は、2023年4月7日にオープンしたばかり。
北海道の農場で手作りされたチーズとそば粉を使ったガレットやお菓子、またフレッシュチーズを使ったちょっと珍しいドリンクも楽しめます。
「いらっしゃいませ」と、にこやかに出迎えてくれたのは、店主の橘依里紗さんとお姑さんの裕江さん。
入り口を通り抜けると、どこか懐かしい雰囲気の昭和レトロなダイニングスペース。磨りガラスの窓からは、新緑が光とともにやわらかく写り込み、ホッと落ち着く空間。一瞬にしてスローな時間が流れます。
学生時代の農芸の授業をきっかけに、「食」の世界に興味を持った依里紗さんは、卒業後すぐに東京から北海道のど真ん中、雄大な十勝平野の西の玄関口・新得町へ。チーズの生産で有名な共働学舎新得農場の直営カフェ『ミンタル』で働きながら、チーズや野菜などの知識を学んだそうです。
大自然の農場での生活は、ほぼ自給自足に近い暮らしだったそう。自分たちで丁寧に育てた野菜や肉、卵、牛乳、チーズなどに触れ、大自然の中で育まれる本物の食材に魅力を感じたそうです。
その後、リゾートホテルや都内のナチュラルチーズ専門店で、接客や海外のチーズの知識を学び、大好きなチーズを軸に「北海道と東京をつなぎたい」という夢を描いた依里紗さん。夢の実現のはじめの一歩として選んだ場所が、このシェアキッチンなのです。
北海道のほぼ真ん中にある十勝に位置する新得町は、朝晩の寒暖差があり、冷涼な気候であることから、古くから蕎麦の産地として有名です。共働学舎新得農場の敷地の中でも、香り高いそば粉が作られているそうで、農場の手作りチーズと組み合わせたこのメニューは、農場の良さを伝えらえると思い、お店の看板商品に選んだそうです。
ふちがパリッと香ばしく焼けたガレット生地の上には、とろ〜り広がる半熟卵。口に運ぶたび、ミルキーなチーズのもっちりとした食感と甘みが口いっぱいに広がります。最後に鼻腔を通り抜ける芳醇な味わいに、思わずうっとりとしてしまいました。
またチーズのおいしさを存分に味わってほしいという想いから、食事だけでなく、スイーツやドリンクにもチーズが使われているのもこのお店ならでは。
フランス語で「白いチーズ」という意味の、フロマージュブランを使った、手作りラッシー(税込450円)や、ゼリームース(税込300円)。
ラクレットなどのハードチーズを使った、チーズクッキー(税込350円)もおすすめです。
まだまだスタートしたばかりなので、営業を重ねて試行錯誤する日々だそう。お客様からオーダーを伺ってのチーズの取り寄せ販売や、農場の中で採れるベリーを使ったドリンクやスイーツの販売など、「これから色々やっていきたいことがあるんです」と依里紗さんは話します。
看板メニューのそば粉のガレットを軸に、農場のチーズを使ったカルボナーラなど月替わりのメニューも用意されるので、お店のインスタグラムは要チェックです。
北海道のスローな時間と、大自然の中で育まれた滋味溢れるおいしさを、気軽に味わえる特別な場所。
これからますます楽しみになること間違いなしのお店『東京ミンタル』にお出かけしてみてはいかがですか。
●●●DATA
「東京ミンタル」
住所/東京都東久留米市本町4-2-1 オナガハウス1F
営業日/毎週金曜日
営業時間/11:00~15:00
Instagram/@tokyo_mintaru
2023/06/01