西武線・久米川駅から徒歩3分、商店街から横道に入り、喧騒を逃れた静かな通りをしばらく進むと雑貨店「アーティカ」が見えてきます。
この隠れ家的雑貨店は、1990年代から数年前まで、テレビCMやミュージック・ビデオの映像制作を手掛けてきた4人の作家たちによって営まれています。
自分たちの気に入ったもの、質の良い雑貨を揃え、作家直売のリーズナブナルな価格で提供しているのが何よりの特徴。共にアートを楽しみたいという想いから「アーティカ」は生まれました。
これまでに使用していた映像制作スタジオが東日本大震災の影響を受けたことをきっかけに現在の場所に移転し、2013年より新たに雑貨店としてオープンしたそうです。
映像制作ではそれぞれ異なる部門を担当していたこともあり、自分の得意分野を生かしたオリジナル作品を持ち寄って販売しています。
また、仕事を通してつながりを持った作家達の作品も多数展示しています。
こちらの細かいクロスステッチを施したハロウィンのブローチは、舞台セットや小物を担当していた小林さんの作品。デザインはもちろん、布を自分で染めることから始める作品もあるそうです。
また、気軽に手に取れる「パラパラ漫画」は3Dアートの原型!もはや芸術です。
こちらでは、小林さんの他4名の作家の作品を実際に見てから購入することができます。不思議なことに、ひとつ手に取ると次々と見ずにはいられなくなる面白さがパラパラ漫画の何よりの魅力。はまること間違いなしです!
101個を目指して制作しているという「ちびくま」シリーズは、アニメーターの中根さんの作品。細部にまでこだわった造り込みと、すべての「ちびくま」の顔・洋服が異なる点に注目! 肩から下げたバッグの中には着替えのシャツが1枚入っていて、可愛らしくユニークです。
そして密かな人気を集めているのが「文庫本カバー」。
埼玉県飯能市の酒蔵「五十嵐酒造」の職人の前掛けの生地を使用しています。丈夫で手触りがいいこの生地は文庫本カバーにピッタリとのこと。
衣装担当だった「ミシン使いの達人」三澤さんが作るのは気品あふれる帽子やバッグ。
色使いにもセンスが光るその帽子は「1点もので高くて手が出ないのでは……」と、思わせますが、ひとつ3,000円前後で販売しています。
どれが似合うか、その場でスタッフと相談しながら選ぶのも楽しいですね。
中には、知人から譲り受けた帯や着物などの生地を再利用しているものもあり、環境面にも配慮が。そんなバッグは丈夫で柄がかわいいと大人気!すぐに完売してしまう人気商品です。
人形師の鈴川さんは、ステンドグラスで四季折々のオーナメントや日常に使える雑貨を制作しています。その上品な輝きは、何気ない日常生活にうるおいをもたらせてくれ、ちょっとしたプレゼントにも喜ばれます。
また鈴川さんの渾身の一作「幸運の守り猫」は、今は亡き愛猫をモチーフに制作したもので非売品ですが、お店の「まねき猫」として活躍しています。
現在、鈴川さんはアーティカのB1フロアーでステンドグラス教室「アートバーズ」の講師を兼任しています。受講料は1回2,500円。初心者にも優しく、作業を少しずつマイペースに行い、おしゃべりしながら楽しめると評判です。
「見るだけでも大歓迎!多くの方に知ってほしい作品がたくさんあります。来て、見て、癒されていただければ嬉しいです」と、最後に皆さんよりメッセージをいただきました。
4人は日替わりで、店番を担当しています。気さくでお話し好きな方ばかりなので、気軽に話しかけてみてください。商品の説明を聞くだけでも楽しいですよ。
●●●DATA
アーティカ
所在地/東京都東村山市栄町2丁目24-41 グランデール久米川 1F
電話番号/042-397-5798
営業時間/10:00~18:00
定休日/日・月・火曜日
Facebook/https://www.facebook.com/artica.kumegawa
その他/ステンドグラス教室「アートバーズ」
tel:042-397-1338 携帯:070-5550-1281
2021/10/11