日野市内の甲州街道沿いを日野駅方面に進むと、ふとイギリス風の建物と、緑豊かな庭園が目に入ります。そこはイギリス好き・バラ園好きな方には有名な“クレア ホーム アンド ガーデン”。広い庭園を有する英国雑貨店兼ティールームです。
取材時は初冬でしたが、まだ庭園や植え込みには何種類かの花々が咲いていて、春や初夏の庭がどれだけ華やかなものかと思うほどです。
12月になると店内がクリスマスムードに包まれ、暖炉に火が灯り、夕方にはライトアップも施されます。外観も冬ならでの美しさがありました。
オーナーの山﨑和子さんは、ご主人と共にイギリスが大好きで、この場所に、15世紀末から17世紀初頭にかけてイギリスで普及した建築様式の「チューダー様式」の家屋と庭園・菜園を造りました。
そして、山﨑さんご夫婦が厳選し、販売しているイギリス雑貨は、日用品から園芸用品、繊細なアンティークからジャンク風のものまで、バラエティに富む品揃えです。
また、敷地内の菜園では、極力農薬に頼らない野菜を作っています。野菜や植物につく虫を捕食する小鳥たちが飛んでくるようにと、庭にえさ台を設置し、小鳥が驚いた時に身を隠すことのできる木を植えていて、庭の池には小魚を遊ばせるなど、敷地全体がビオトープ(生物生息空間)になるような工夫を凝らしています。そのため、この敷地内では四季を通じて様々な生き物がやってくるそう。タヌキやハクビシン等が現れる事もあるそうです。
この日は、残念ながら人気商品のスコーンが売り切れでしたが、オーナーお手製の“ケーキの2点盛り合わせ”をオーダー。
今回セレクトしたのは、「イギリスのケーキの定番」というべき“ビクトリアンスポンジケーキ”と、秋冬らしい“パンプキンパイ”です。どちらも見た目はシンプルですが、ビクトリアンスポンジケーキはふわふわ、パンプキンパイのフィリングも野菜の自然な甘みがしっかり感じられ、暖炉の火にあたりながら温かい紅茶と一緒に頂くと、心も体もほっこりして素敵なティータイムが過ごせました。
暖炉で、薪のはぜる音を聞きながら、英国雑貨に囲まれてお茶とお菓子を頂くと、なんだか本当にイギリスにいるような、不思議な気持ちになれます。
コロナ禍以前より、この店舗ではWWOOF(ウーフ)制度(オーガニック栽培に関わる、または関心がある人がホストになり、希望者に宿泊場所と食事を提供し、滞在者(通称ウーファー)は働き手としてホストを手伝う制度)を取り入れていて、イギリスをはじめ、世界各国の人達に滞在してもらい、庭園の手入れ、野菜作り、カフェの接客等を手伝ってもらっていたとのこと。そのため、当時は敷地自体が国際交流の場であり、ウーファーたちが、沢山の楽しい思い出を作って旅立っていったそうです。
コロナ禍になり、WWOOF制度で受け入れるウーファーも近年は途切れ、お店の運営自体も外出自粛等の影響で、色々苦労をされたそうですが「それでも、前を向いてできる事を精一杯やっていかないとね」と、山﨑さんは明るく話します。そして今日も店舗で美味しい料理やパン、お菓子を作り、庭や菜園の手入れに精を出しています。
また山﨑さんは、庭園内でのガーデンマーケットの開催、店舗にてミニコンサート等の開催、日野市のマルシェでパンやお菓子の販売等、地域の方達とのコミュニケーションも積極的に行っていて、山﨑さんの思いに共感した有志の方達がボランティアとして、庭園を整備してくれるのだそうです。
コロナ禍で海外旅行を諦めている方や、忙しくてストレスが溜まりがちな方は、是非“クレア ホーム アンド ガーデン”で、庭園内を散策して木々や花々を眺めてみてはいかがでしょうか。美味しいお茶とお菓子を楽しんで、イギリス滞在気分でリラックスできますよ。
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クレア ホーム アンド ガーデン
所在地/〒191-0011 東京都日野市日野本町7-10-6
URL/https://www.claretokyo.com/home
Instagram/@claregardenhino
Twitter/@637QOCJgbj3pLOF
Facebook/ClareHomeAndGarden
電話番号/042-582-1313
営業時間/11:30~17:00
休日/日曜日、月曜日、火曜日、祝祭日(夏・冬休み有)
その他/ランチの利用は、ご予約をお願い致します。2023年の営業は1月18日(水)からになります。
2023/01/10