京王線・百草園駅より徒歩5分。三沢東の信号前にお店を構える「百草食品」は老舗のお豆腐屋さんです。家族で経営されているアットホームな雰囲気のお店ですが、長年に渡り市内の保育園や小学校にお豆腐を卸しており、日野市の子どもたちの健康を守り続けてきた「縁の下の力持ち」的存在でもあります。
百草食品のお豆腐を食べるとまず驚くのが「豆の味」。豆の甘みと香りが口にしっかりと広がり、お豆腐が大豆で作られているんだという当たり前のことをしみじみと実感させてくれます。
親子三代で買いに来てくれる常連さんや、遠方へ嫁いだお客さんがわざわざお豆腐を買いに足を運んでくれることもあるそうです。
お豆腐作りは創業時の50年前から変わらぬ手作業で行っています。天然水に浸した大豆をすりつぶし、ペースト状になったら高温で煮沸。それを濾しておからと豆乳を取り出したらにがりを入れ、型で切り分けたら完成です。
作り方はシンプルですが、本当の難しさは大豆の状態を見極めること。大豆の浸水スピードは気温や豆の状態によって左右し、味の良し悪しに直結します。冬場は夜中に熱湯を足し、大豆が水を吸いやすい温度になるまで水温を調整することもあるそうです。まるで生き物の世話をするかのように、大豆と向き合っています。
お豆腐などの他に人気なのが、三代目の小田樹さんが考案した豆乳プリン。とろけるようななめらかな舌触りと、優しい豆乳味が特徴です。フレーバーはいちご、キウイ、マンゴー、ブルーベリー、プレーン、きな粉、抹茶の定番7種類。そして8月からは新商品のティラミス味も販売予定です。
「当初はブルーベリーといちごの二種類だったんです。でも、お客さんから『こんな味も作ってほしい』と直接要望をいただくことが多くて。お応えしているうちに増えてしまいました(笑)」と小田さんが話してくれました。
リクエストしたくなるのも納得。クセがなくまろやかな豆乳プリンが、どのフレーバーにもマッチしています。良い意味で「豆腐」っぽさがないため、それまで豆乳が苦手だった方にも好評だそうです。
実はこの豆乳プリン、コロナの影響で給食への納品が一時的に停止となった際に小田さんが「百草食品の新しい目玉となる商品を作ろう」と一念発起して生まれた商品だそうです。その他にも新作「不動湯葉」や鋭意制作中の「えだまめ豆腐」など新商品が目白押しです。
昔からの製造方法はそのままに、柔軟な発想を加えた新しい大豆製品を作り続ける百草食品。今度はどんなお豆腐を多摩の食卓に届けてくれるのでしょうか。今後も目が離せません。
●●●DATA
百草食品
所在地/〒191-0032東京都日野市三沢2-14-11
営業時間/9:00~20:00
定休日/無休
電話番号/042-591-1797
その他/店舗の他、JA東京みなみ(日野市)、みなみの恵み(日野市)、高幡まんじゅう(日野市)、コモディイイダ(多摩市)、道の駅八王子滝山(八王子市)等でもご購入いただけます。
2021/08/20