どこかのんびりとした空気をまとう京王線・南平駅。「南極堂」はここから徒歩30秒ほどの路地にあります。夏季(7・8月)はかき氷専門店、それ以外は油そば専門店として営業しているユニークなお店です。
レトロでおしゃれなお店のロゴは、多摩地域を中心に活動するイラストレーター・もんでんゆうこさんが手掛けたもの。懐かしい感じのする木製の引き戸から店内に入ると、カウンターとお子様連れに人気という小上がりの座敷が広がっています。
2017年オープンの新しいお店ながら、あっという間にかき氷専門のグルメ本「かきごおりすと」に掲載され、全国のかき氷愛好家(通称・ゴーラー)が集う人気店となった南極堂。
「毎年、オープン前から並んでいただくお客様が多く、暑い中とても申し訳なくて。今年からはWEB予約システムを導入する予定です」。そう語るのはオーナーの杉崎さん。
長年飲食業界に携わり漢方や薬膳の知識も豊富なことから、南極堂でも身体に負担の少ないかき氷を提供できるよう工夫を凝らしています。
シロップは基本的にすべて手作り。果物によって食感の残し方を変え、一番美味しいバランスを見極めながらピュレにしています。
また、身体を温める効果があるとされる根菜由来のてんさい糖を使うことで身体を冷やしすぎないよう配慮しているそう。白砂糖に比べ後味がすっきりしているため、年配の方や男性の常連さんも多いのも頷けます。
そして、メインの氷の「削り」は毎年事前研修を行い、そこで合格した一握りのスタッフだけが担当できるそう。「日によって味にバラつきが出てしまうのは言語道断。いつ来ていただいても変わらない味を提供したい」。そんなオーナー・スタッフの高いプロ意識ゆえです。
素氷の仕上げもシロップの種類によって変えている徹底ぶりだというから驚きです。抹茶などさっぱり系のシロップには「しゅわっ」と口で溶ける軽やかな氷、ミルク系には氷の密度を増し硬めにし、シロップのまったりした味わいにも負けない食感に仕上げています。
かき氷と言えばフルーツ系フレーバーが定番ですが、南極堂はナッツやスパイス系といった通向けメニューが多く、個性豊かな新作メニューが度々登場するのもゴーラーの心を掴む理由です。
気になる2021年の新作は「ばななチャイ」。
サババナナという日本では珍しい品種のバナナを完熟させ、食感を残した状態でピュレ状にしてココナッツやガラムマサラでトッピングするという南国の香りが漂う逸品です。こちらも目が離せません。
コロナ禍の影響もあり、今年は営業時間や席数を制限しての営業。「それでも足を運んでくださるお客様への感謝の気持ちを忘れず、美味しいものを提供しようという想いから、かき氷のテイクアウトも行っています」。とのこと。
また、今年は新たな試みとして「南極堂アイス」を販売予定で、こちらも大注目。ミルクアイスにフレッシュないちごソースを別添えし、お客さん自身でトッピングできるように考えているそうです。贈答にも嬉しい4個セットでの販売を予定しています。
飛ぶ鳥を落とす勢いでの大躍進にも決しておごらず、高いプロ意識と柔軟な発想力で日野市の名前を全国のゴーラーに轟かせた「南極堂」。
夏季だけ出会える繊細な甘味をぜひお楽しみください。
●●●DATA
南極堂
所在地/東京都日野市南平7-6-32
営業時間/12:00~16:00
休日/火曜日・水曜日
電話番号/042-506-5273
URL/https://nankyokudo.jimdofree.com/
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2021/07/01