茅の輪の力に願いを託す夏越の祓

大國魂神社大祓式

開催時期:6月中旬   #夏の歳事   エリア:

1年の半分が過ぎる6月、人々は古から身を清めたりお祓いを受けたりして、これからも無事に過ごせるように祈ってきました。各地の神社で半年ごとに行われる大祓いは、6月は夏越の祓、12月は年越しの祓と呼ばれ茅の輪くぐりをすることでも知られています。茅の輪は人がくぐるものから車のお祓い用の大きなものまであります。

6月中旬、大國魂神社を訪れると大きな茅の輪が迎えてくれます。この茅の輪は毎年大國魂神社氏子青年崇敬会の方たちが作って神社に奉納しています。社務所によれば15年ほど前からだそうです。

中雀門の前の堂々とした茅の輪
由来を見ながら茅の輪をくぐる人たち

茅の輪の傍らにはその由来やくぐり方が掲げられています。それによると、蘇民将来が素戔嗚尊の教えに従って茅で作った輪を腰に下げたところ子孫代々災いなく栄えたことからとのこと。くぐり方の作法は、左へ、右へ、左へと3回。次々と参拝の人たちがくぐっていきます。災いなく過ごしたいというのはいつの時代にも共通のことのようです。

茅の輪とともに大祓でよく見られるものに人形(ひとがた)があります。人の形をした和紙で男女それぞれあり、名前を書いて息をふきかけ体や悪いところを撫でて納めお祓いをしてもらいます。大國魂神社でも6月に入ると拝殿前に記入台が設けら、だれでも納めることができます。

6月30日夕方になると神職や巫女さんが茅の輪をくぐって拝殿前に進み、大祓式が始まります。祝詞が奏上され参列の人たちも頭を下げてお祓いを受けます。
半紙を切り刻んだ切麻(きりぬさ)がひらひらと舞うと、その場が清らかな空気に包まれて式を終えます。青々とした茅の輪をくぐって暑い夏を乗り切りましょう。茅で作った御守の頒布も始まっています。

神職を先頭に茅の輪神事が始まる
神職に続き朱色の袴の巫女さんも神事へ向かう
縄でしっかりとくくられた茅
雨の季節、しっとりとした空気の中の拝殿

写真提供:茂垣貴子

●DATA
[データ]
開催時期/6月中旬
住所/東京都府中市宮町3-1
ホームページ/ https://www.ookunitamajinja.or.jp/
アクセス/京王線「府中駅」より徒歩5分/JR武蔵野線・南武線「府中本町駅」より徒歩5分