大木に囲まれた参道に熊手が並ぶ酉の市

武蔵野八幡宮酉の市

開催時期:11月   #秋の歳事   エリア:

吉祥寺と聞くと井の頭公園を思い浮かべる方も多いと思います。駅から徒歩数分のところにありながら、42万平方メートルの広大な敷地に2万本の樹木の緑があふれる都民の憩いの公園です。
また一周1.5キロメートルの井の頭池は歌川広重の「名所江戸百景」などにも描かれた景勝地でした。大正6年(1917)に皇室御料林から東京市に下賜され日本で最初の恩賜公園として開園しました。

井の頭池にはボート場があります。レジャーとして昔からポピュラーだったのでしょう。始まりは昭和4年とのこと。そして今ボート乗り場で目を惹くのが白鳥型のスワンボート。二人乗りで足で漕いで進むボートです。静かな水面にぽかりぽかりと浮かぶスワンがのどかです。中には1台だけ眉毛のあるスワンがいるとのことですので、そのボートを探してみるのも面白いかもしれません。ボートは通年利用できます。

また井の頭公園ではさまざまなイベントも楽しめます。豊かな自然を活かして毎月開かれている「井の頭池ちょこっとウォッチング」もその一つ。ゆっくり歩いて回ったり、自然を観察したりと、四季折々を楽しめる公園です。

五日市街道に面して鎮座する武蔵野八幡宮
参拝客が絶えない八幡宮拝殿
大鳥神社を祀る境内社社殿
熊手商の灯りが参道を照らしてお客を迎えます

11月の酉の日、東京の「おおとり」神社の縁日に市が立ちます。酉の市、おとりさまとも呼ばれます。「おおとり」は大鳥、鷲、大鷲などの漢字が充てられています。縁起物の熊手を売る露店が出て、威勢の良い掛け声や手締めの拍子木の音が響き、年の瀬の風物詩として知られています。江戸時代には新年への最初の祭りとされていました。

吉祥寺駅から北へ10分、五日市街道に面して鎮座する武蔵野八幡宮は明暦の大火で小石川水道橋にあった吉祥寺が焼け、住居を失った門前町の人々がこの土地に吉祥寺村を開村した時、村の鎮守として信仰したと言われる神社です。

武蔵野八幡宮には境内社として7つの神社が祀られており、大鳥神社もその一つです。この神社では大酉の市と称して参道に熊手商が店を開き、訪れる人を元気の良い声で迎えます。宝船やおたふく面、千両箱などを飾り付けた大小様々の熊手は幸せをかき集めるといわれ、商売繁盛の願いを込めて大勢の老若男女で賑わいます。

令和4年は二の酉(11/16)三の酉(11/28)と続く予定です。

熊手商と一緒に熊手を選ぶ参拝客
武蔵野囃子連のお囃子で境内は賑やか
最後の仕上げも丁寧に
熊手が売れると一緒に手締め

写真提供:茂垣貴子

●DATA
[データ]
開催時期/11月
住所/東京都武蔵野市吉祥寺東町1-1-23
ホームページ/ https://musashino-kanko.com/area/kichijouji/hachiman_shrine/
アクセス/JR中央線吉祥寺駅より徒歩10分