令和4年は中止が決定しています。
周囲45km余に及ぶ広大な規模の奥多摩湖。東京都民の水がめとして作られた小河内ダム建設に伴ってできた人造湖ながら、四季折々訪れる人を楽しませています。
JR奥多摩駅からバスで奥多摩湖へ。山間の道をくねくねといくつかのトンネルをくぐりながら進み、急に空が開けたと思うと目の前に奥多摩湖が雄大な姿をみせてくれます。バス停そばの「奥多摩水と緑のふれあい館」では、豊かな自然や水道の大切さを紹介しています。
ここからは奥多摩湖の入り組んだ湖面に沿って走ります。
小河内神社へは小河内神社バス停から徒歩数分。湖底に沈んだ村として知られる小河内村内に祀られていたいくつかの神社を勧請し創建されたこの土地の鎮守様です。湖面に浮かぶドラム缶橋にも小河内神社バス停からアクセスできます。現在はプラスティック製ですが以前はドラム缶を使っていたためこのように呼ばれています。
奥多摩湖に沿う国道411号は湖を間近に見ながら走ります。緑深い湖畔は秋になると紅葉を湖面に映します。小さなバス旅にもおすすめです。
奥多摩町には数多くの郷土芸能が伝わっています。どれも各地域で大切に受け継がれてきたものです。
小河内ダムに沈んだ小河内村に伝わっていた郷土芸能は村民によって受け継がれ、9月の小河内神社祭礼に奉納されています。原の獅子舞、坂本の獅子舞、川野の獅子舞そして鹿島踊りです。
当日各保存会の方々が行列を整えて神社に集合し、次々に披露します。獅子舞は時に勇壮に大地を踏み、時にしんみりと天を仰ぐように舞います。
獅子舞に続いて披露されるのが国指定無形民俗文化財の鹿島踊りです。由来については京都からこの地に隠れ住んだ公家衆が伝えた、旅の僧から教わったと説はいくつかあるようです。踊りは女装の男性6人が踊ります。紫の振袖に帯を長く垂らし、頭には金の冠を乗せ、顔と手を白く塗って唇には紅を指しています。演奏は笛、唄、太鼓。白足袋の足元も軽やかに、日の丸扇を手に優雅な踊りを繰り広げます。
昔この地にあった村を懐かしむ人々が集まって、賑やかに秋のひとときを過ごす一日です。
令和4年は中止が決定しています。来年こそは小河内の響きが聞こえることを期待します。
写真提供:茂垣貴子
●DATA
[データ]
開催時期/例年9月
令和4年は中止が決定しています。
住所/東京都西多摩郡奥多摩町河内149
ホームページ/
https://www.town.okutama.tokyo.jp/1/kyoikuka/bunka_sports/1062.html
アクセス/JR奥多摩駅から西東京バス「小河内神社」下車 徒歩約8分