30種1万株のアジサイが梅雨の季節を彩る
府中市郷土の森博物館(府中市)

梅の名所として知られる府中市郷土の森博物館は、梅雨の季節になると約1万株のアジサイが咲いて、園内を青、紫、白、ピンク色に彩ります。

アジサイの原産地は日本。自生のガクアジサイが原種でこれがヨーロッパに渡り、品種改良されて逆輸入されたそうです。日本最古の歌集、万葉集にはアジサイを詠んだ歌が2種あり、「味狭藍」「安治佐為」の字が当てられています。

アジサイの小径
アジサイ色に包まれながら気持ちのいい散策できる「アジサイの小径」

現在は「紫陽花」と漢字表記されることが多いのですが、名付け親は唐の時代の漢詩人、白楽天。ある寺を訪れた際、名前の分からない珍しい木に案内され、その木には白と青色が混じった球状の花が咲いていたそうです。そこで詩を作り、その花を「紫陽花」と名付けたとか。それを平安時代の歌人で学者の源順(みなもとのしたごう)がアジサイにこの漢字を当て、それが広まったと言われています。この字からは「紫色の明るい太陽のような花」といったイメージが浮かび、素敵な名前だなといつも思います。

府中市郷土の森博物館の園内各所にはセイヨウアジサイ、ガクアジサイ、アナベルなど約30種1万株のアジサイが植栽されていて、5月下旬に咲き初め、6月中旬から下旬にかけて見頃を迎えます。

アジサイの丘
田んぼの南側にある「アジサイの丘」ではセイヨウアジサイやガクアジサイが咲き誇ります

田んぼの南側にある「アジサイの丘」では主にセイヨウアジサイが見られます。セイヨウアジサイの花はテマリ状に咲き、華やかで大ぶりなのが特徴。青、青紫、赤紫、ピンクなど色も豊富です。

アナベルの丘
真っ白なアジサイの中にピンク色のアジサイが混じって咲く「アナベルの丘」

水遊びの池側の芝生広場にある「アナベルの丘」では、真っ白なアナベルの花が咲き、まるで雪山のようにきれいです。県木園の西側には「アジサイの小径」があり、青や青紫色の花に包まれながら散策を楽しめます。

アナベルの小径
本館側芝生広場にある「アナベルの小径」

府中市郷土の森博物館の園内には古い建物8棟が市内から移築復元されています。茅葺屋根の農家、蔵造りの商家、水車小屋などレトロな建物を彩るアジサイの花は独特の風情があり、他では見られない景観です。

アナベル
アメリカ原産の「アナベル」は真っ白な花を咲かせます

同館では毎年5月下旬~7月初旬(2023年は5月27日~7月2日)に「郷土の森 あじさいまつり」が開催されます。約100品種の鉢植えアジサイが展示される「アジサイ展」をはじめ、武蔵国府太鼓の演奏など、各種催しが楽しめます。

レトロな建物とアジサイ
レトロな建物を彩るアジサイの花は独特の風情があります

●DATA
花の時期/5月下旬~7月上旬 見頃は6月中旬~下旬
府中市郷土の森博物館入場料/大人300円 中学生以下150円
アクセス/JR南武線・京王線分倍河原駅から郷土の森総合体育館行きバスで「郷土の森正門前」下車。または分倍河原駅、府中本町駅から徒歩約20分
ホームページ/府中市郷土の森博物館|公益財団法人府中文化振興財団

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