希少部位の焼鳥×ワイン 炭火操る職人技を間近で体感できる 立川「焼鳥あら 別邸 縁」 | イマタマ

希少部位の焼鳥×ワイン 炭火操る職人技を間近で体感できる 立川「焼鳥あら 別邸 縁」

2025/08/28

こんにちは、イマタマグルメ ライターの中村あきこです。備長炭で香ばしく焼かれる「焼鳥」といえば、庶民的で親しみやすく、老若男女問わず愛され続ける不動の人気グルメの一つではないでしょうか。

焼鳥に代表される「炭火焼き」は、原始的かつシンプルな調理法でありながら、その火入れには緻密な職人の技が求められます。結果として素材のポテンシャルを最大限に引き出せるため、和食の領域にとどまらず、現代のガストロノミーにおいても注目される表現方法の一つです。

「炭火」は遠赤外線を豊富に放出し、食材の表面に強く働きかけ、その熱がじんわりと内部に伝わり全体をふっくらと仕上げることができます。つまり表面を素早く加熱するため、余分な水分が抜けすぎることなく表面はパリッと香ばしく、中はしっとりジューシーに仕上げる事ができます。

さらに、炭火の高温直火によって「メイラード反応」という化学反応が起こります。アミノ酸と糖が結びつくことで、焦げ目からナッツのような香ばしさや独特の旨みが引き出されるのです。

日本では古くから、焼鳥や炉端焼きなど、炭火を使った料理に親しんできました。今や炭火は、伝統の技にとどまらず、さまざまなジャンルのシェフたちに選ばれる火入れの手段として、改めて注目を集めています。

さて、そんな人気の炭焼きグルメの一つ。今回は多くの飲食店がひしめく立川の激戦区にある焼鳥店を訪ねました。大通りから一歩中に入った、目立たない通りにあるにもかかわらず、平日の夕方から賑わい、週末ともなると予約必須の活気あふれる店「焼鳥あら 別邸 縁」さんです。コンセプトは「焼鳥×ワイン」。銘柄鶏の希少部位を使った通好みの串メニューをはじめ、こだわりの一品料理、そしてオーナー厳選のワインとのマリアージュをご紹介いたします。

一見、焼鳥店とは思えないスタイリッシュな外観

ライブ感溢れるカウンターで過ごす至極の時間

JR中央線「立川駅」南口から徒歩約3分。多摩モノレール「立川南」駅からは徒歩約2分。立川市柴崎町3丁目の裏側の通りに「焼鳥あら別邸 縁」はあります。打ちっぱなしのコンクリートの外観。スポットライトが当てられると浮かび上がる「串」の文字が印象的。17時になると温かみのある手書き風の看板に明かりが灯りオープンを知らせます。

キッチンを取り囲むコの字型のカウンターは全部で14席

「焼鳥店」と聞くと、暖簾の奥に煙が立ち込める庶民的な和の雰囲気をイメージしますが、ここ「焼鳥あら 別邸 縁」はちょっと違います。店内に一歩足を踏み入れると、そこは落ち着いた照明が演出する大人の空間。テーブルや壁のオブジェなど、木の温もりを取り入れながらも、打ちっぱなしのコンクリートという無機質さとの掛け合わせで、スタイリッシュで都会的なイメージを醸し出しています。

また、炭火台を中心に設計されたオープンキッチンをコの字に囲むカウンターからは、燃え上がる炎やたちのぼる煙、炭火で焼き上がる肉のこうばしい香りを、程よい距離で体感することができます。

テーブルは全部で16席。壁には焼鳥串をモチーフにしたという素敵なオブジェが飾られています

まだ新しさを感じる店内の「焼鳥あら別邸 縁」は、ここから徒歩3分ほどの距離にある本店「炭火焼鳥 あら」の二号店として2021年12月にオープンしました。本店は日本酒と焼鳥を楽しめる和の趣ある店舗ですが、別邸ではダイニングバーのような雰囲気で「ワインと焼き鳥」がコンセプト。つまみや一品料理もワインに合うよう工夫されています。

この日は平日の夜でしたが、オープンから1時間程経った頃にはほぼ満席になり、この店の人気の様子が伺えます。女性同士や、カップルの利用が多く「大人の隠れ家」といった印象。コンセプトの「ワインと焼鳥」というだけでは語り尽くせないたくさんの魅力がありそうです。

希少部位×ワインで味わう、オンリーワンスタイル

オープンキッチンの中央にある焼き台で、お客様を気にかけながら、スタッフへ的確に指示を出しながら、次々と入るオーダーに応えて手際よく串を焼き上げているのは、こちらのお店のオーナーシェフの荒 良太(あら りょうた)さん。サービスの経験もある荒さんの行き届いた目配りと指揮は、はまるでオーケストラのマエストロのよう。炭火を操る姿を間近に見られるハイテーブルのカウンター席は、まさにそんなライブ感が味わえる特等席です。

二十歳から立川の多くの飲食店で経験を積み、界隈の同業者の仲間からの信頼も厚い兄貴肌の荒良太さん

メニューを開いてまず驚くのは、「ねぎま」や「もも」といった定番の焼鳥が並ぶスタイルとは一線を画す串のラインナップ。「上レバー」「白レバー」に始まり、「つなぎ」「はらみ」「フィレ」といった鶏一羽からごくわずかしか取れない希少部位の串や、こだわりの変わり串が並びます。お任せコースは5本で1,540円(税込)〜。気に入ったもがあればアラカルトで選んでじっくり堪能というのもおすすめです。

中でもぜひ味わっていただきたいのが、臭みが一切なくクリーミーな食感の「白レバー」と、ジューシーで濃厚な味わいで、さらに皮まで美味しい大山鷄の「ソリレス」です。

「ソリレス」はメニューの中でも「限定串」とカテゴリー分けされていて、この店の看板メニューの一つです。

白レバー(385円税込)焼きたて熱々のふわっと食感が堪りません

こちらでは、大山鶏・京紅鶏・丹波赤鶏という銘柄鶏を、部位によって使い分けていています。そのクオリティーの高い串を目当てに、有名店のシェフや著名人も足を運ぶのだそう。また炭にも徹底してこだわり、燃焼時間が長く高火力が特徴の「土佐備長炭」を使用しています。

そんな高級店レベルの内容であるにも関わらず、一本あたり平均300円前後というお手頃な価格で提供されているのには驚かされます。「立川価格を目指しています」と語る荒さん。都会的な雰囲気を漂わせつつも、気軽に訪れられる地域密着の親しみやすさを大切にしていることが、連日賑わう人気の理由の一つではないでしょうか。

パリッと焼かれた皮目とジューシーな肉質の「ソリレス」(385円税込)。鶏1羽分を贅沢に串にした逸品

さて、焼きたて熱々の串が運ばれてきました。まずは「白レバー」をひと口。脂の乗った塩焼きの白レバーはふわっと柔らかく、レバー特有の鉄っぽい臭みも全くありません、口に入れるとフォワグラのようにトロッとしていて、とてもクリーミー。上には和と洋のワサビをブレンドしたものがトッピングされ、白レバーの脂を爽やかに引き締めてくれます。タレでいただくレバーとは一味違い新鮮さが際立つ一品です。こちらの串は一つ一つのポーションが大きすぎず、食べやすいのも特徴。こういった気遣いは女性にとっては嬉しいですね。

続いて鳥取県の新鮮な空気と名水で育てられた大山鶏の「ソリレス」です。「ソリレス」とは内もも肉と胴の付け根の部分の肉で、弾力ある歯応えとしっかりとした旨みが特徴。皮にも甘みがありジューシーで噛めば噛むほどに肉の旨みが広がります。

柑橘のフルーティーさと爽やかさがありながらも、さっぱりとドライな飲み心地の本日のハウスワイン(グラス770円(税込)

実はこの部位、一本のもも肉から、たったの一切れしか取れないので、この串1本でなんと贅沢にも大山鶏1羽分なんです。看板メニューでもあるこちらを、ある程度の量提供することは、この業界でもなかなか難しいことなのだそうですが、ここ「焼鳥あら 別邸 縁」をオープンするにあたり出会った卸業者さんと、荒さんとの信頼関係によりそれが実現しているのだそうです。

素材だけでなく、美味しく焼くための塩や炭へのこだわりによって提供される魂のこもった一本は、シンプルな調理法であるからこそ、そのクオリティーがダイレクトに食べ手に伝わるのだと確信させてくれます。

次に待つのはすき焼き串なのでグラス赤ワインを頼んでスタンバイ

また串に合わせて、ワインをグラスでオーダーさせていただきました。グラスワインはフルーティーながらもキリッとドライな白ワインやミデイアムボディの赤ワインが用意されていて、特に白ワインは塩焼きとの相性が抜群。鶏肉の甘みが引き立ちます。

日本酒との相性とはまた違う旨味の引き出し方が、「焼鳥とワイン」に可能性を感じ、お洒落なだけでないマリアージュを体験することができます。

荒さんは、このお店を出店するにあたり、200種類ものワインをテイスティングしたそうです。リストには、リーズナブルなものからリッチなものまで厳選されたボトルワインが揃い、赤白合わせて10種類。さらにシャンパーニュも3種用意されており、ワイン好きには嬉しい限りです。

京都の九条ネギとえのきを豚バラ肉で巻いたすき焼き串は赤ワインと一緒に

「焼鳥とワイン」と聞くと、一見斬新な組み合わせに思えますが、意外にも自然な相性です。ワイン大国フランスでは鶏肉が日常的に食されており、相性の良いワインも多く存在します。塩味の串には白ワイン、タレや内臓系の串には軽めの赤ワインといった、ここならではのペアリングを存分に楽しめます。

ワインだけでなく、ドリンクメニューも充実しています。なんと梅干しからこだわって厳選した「梅干しサワー」や、地元 立川立飛のブリュワリーが手掛けるクラフトビール「立飛ピルスナー」と「立飛ペールエール」を揃えるなど、焼鳥のクオリティーに合わせたドリンクが揃い、食事の満足度をさらに高めます。

ズッキーニも瑞々しさがしっかり感じられるよう焼かれた「ズッキーニモッツァレラ」中からとろーり溶け出すモッツァレラをジェノベーゼソースでいただきます

焼鳥以外にも「京都九条ネギのすき焼き串」や、ジェノベーゼペーストでいただく「ズッキーニモッツァレラ」などの変わり串や、ヘルシーな野菜を使ったメニューも複数用意されています。中でも人気なのは地元の農家の新鮮な野菜として立川名物でもある「カラフル野菜」の生産者である小山農園さんの野菜を使った「カラフル野菜の自家製ピクルス」や、自家製玉ねぎドレッシングでいただく「小山農園あらサラダ」。箸休めとしてもぴったりな一品です。

低温調理された新鮮な鹿児島県地鶏の鶏もも刺しもあります。自家製生姜ダレがよく合います

荒さんは、二十歳で立川の飲食業界に飛び込み、カフェやフレンチ、ステーキハウス、さらにはカラオケ店の店長など多彩なのジャンルで経験を積んでこられました。そんな中で「焼鳥店」での独立を決めたのは、家庭では再現できない、外食ならではの料理というところに魅力を感じたからだそうです。また、地元は福生市。沿線の激戦区であり愛着のあるこの場所に出店されたのは自然な流れだったようです。「立川にありそうでない場所」を目指した店づくりをされていると語ります。

鶏の部位それぞれに違う食感や味わい、脂の乗り方があることを、計算された調理技術でひと串ごとに楽しませてくれる「焼鳥あら 別邸 縁」の焼鳥。親しみやすい人柄のオーナーシェフと笑顔あふれるスタッフに迎えられ、大切な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

これもおすすめ。暑い時期に食べたい大山鶏の皮と野菜を煮込んださっぱり塩味の「あら自慢の塩もつ煮

グルメライター 中村あきこ 

グルメライター/日本とフランスの料理学校でフランス料理を学び、帰国後、都内フレンチレストランでサーヴィスに従事。マネージャーやウエディングプランナーを経験。また、料理とワインのマリアージュの素晴らしさに心が奪われた事をきっかけに、JSA認定ソムリエ、シニアソムリエを取得。お店に立つ側と食べる側、両方の視点から感じたものを、素直な言葉で綴り、そのホスピタリティを伝えている。現在は知人の店でヘルプシェフとしてキッチンに立つことも。二児の母。長男の育児中の食の悩みから、幼児食インストラクターを取得。親子で楽しく囲める食卓も日々研究中。

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DATA

施設名 焼鳥あら 別邸 縁
住所東京都立川市柴崎町3-6-19 テラス立川1F
TEL050-5493-4011
営業時間月〜木 17:00〜22:00(L.O21:30) 金・土 17:00〜23:00(L.O22:30)
定休日日曜日


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