癒しと季節を楽しむ、東京西エリア 青梅線・五日市線の旅

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悠々と時が流れる奥多摩「むかし道」を歩く

悠々と時が流れる奥多摩「むかし道」を歩く
2017/09/20

かつては交易の道として栄えた、奥多摩駅~小河内ダム(奥多摩湖)間にわたる「奥多摩むかし道」。 今はハイキングコースとして親しまれる、西多摩屈指の紅葉の名所です。

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 山々の紅葉が深まり、心地よい風が森林を吹き抜ける秋の奥多摩は、景色を楽しみながら散策するのにぴったり。新宿駅から約1時間40分、青梅線利用の場合青梅駅での1回の乗り換えで気軽にアクセスできます。

 「奥多摩むかし道」は旧青梅街道の氷川から小河内までの範囲のことで、現在は散策コースとして親しまれ、奥多摩の歴史を感じる神秘的なスポットが点在します。道のりの全長は10キロほどですが、奥多摩駅からバスで約8分「惣岳(そうがく)」バス停で下車し、むかし道に降りて渓谷に架かる吊り橋で紅葉を眺めてから、折り返して散策しながら歩くと、奥多摩の風土が味わえる2時間ほどの軽いハイキングが楽しめます。

 歩く以外にも秋風を感じながらサイクリングを楽しんだり、散策後に温泉に入ったりと、多彩な楽しみ方ができるのも秋の奥多摩巡りの魅力です。

絶景スポット

「惣岳」バス停下車後、谷を下り、むかし道を川上に5分ほど進むと見える「しだくら吊橋」は、巨岩の集まる惣岳渓谷に架かります。一度に渡れるのは3人まで。橋中央から望む秋の紅葉は、エメラルド色の川面とも相まって息をのむ絶景が広がります。

古来の文化と自然に触れるむかし道スポット

 旧青梅街道は初め成木道と呼ばれ、青梅の成木で生産された石灰を江戸城の改修用に運搬するために、江戸初期に開発されたと言われています。

 江戸の中期に、青梅から氷川に抜ける難所であった数馬峡を通る道(数馬の切通し)が開かれ、大菩薩峠を越えて甲府に至るルートとなりました。

 明治はじめに整備・開通され、昭和初期から生活の道として利用された現在のむかし道には、奥多摩の大自然や民俗を感じられるスポットが散らばっています。水と緑あふれるこの道で、土地の歴史や文化に触れながら散策すると、心身ともにリフレッシュします。

弁慶の腕ぬき岩から、不動の上滝へ進む途中にも姿をあらわす廃線跡。

 むかし道散策の魅力は、旧小河内線が見え隠れする点にもあります。小河内線はセメントなどの小河内ダム(=奥多摩湖)建設用私財運搬のため、昭和27年に敷設された鉄道。青梅線を延長する形で敷かれ、氷川駅(現在の奥多摩駅)から奥多摩湖畔の水根駅までの約10キロの路線でした。

 小河内線とむかし道は並行して近い距離にあり、道から橋梁やトンネルが眺望でき、奥多摩産業の史に触れながらハイキングを楽しめます。

白髭神社

しだくら吊橋から奥多摩駅方面へと進み、林道の階段を上ると、小さな広場にたたずむ白髭神社に出会います。東京都指定の天然記念物である大岩の側面に社があり、岩そのものが御神体として祀られています。大岩は高さ30メートル、幅40メートル。

縁結びの地蔵尊

二股大根を供えて祈れば、「結縁成就」といわれています。

弁慶の腕ぬき岩

腕が入るほどの穴のある自然岩。力持ちの弁慶が抜いたものとして親しまれてきました。高さ約3メートル。

耳神様

医療が発展途上の頃、耳が悪くなった時は、穴の開いた小石を見つけて供え回復を願ったそうです。

不動の上滝

古来より行き交う人々に安らぎを与えてきました。落差約7メートル。

三本杉

東京市の樹高を誇る、都の指定天然記念物。7.5メートル、樹齢は700年といわれています。奥多摩駅へ向かうルートのゴールの目印。

奥多摩 Okutama

駅前に、奥多摩ならではのショップが初顔合わせ!

 奥多摩エリアの魅力を秋空のもと堪能できるイベントが、11月18日、19日に奥多摩駅前で開催されます。イベントを手掛けるのは、奥多摩駅舎2階の融合カフェ「Port Okutama」を運営する舩越章太郎さんです。

 今回のイベントのテーマは「奥多摩の秋」。当日は3ブースが展開され、Tシャツやカナディアンカヌーなどのご当地ブランドの販売や展示、奥多摩地ビールやPort Okutama特製カレーなどのフード販売、奥多摩産のしめじ・ひらたけや手づくり味噌などの地元特産品の販売が実施。また、両日ともライブコンサートが催され、イベントを盛り上げます。

ドライカレーは辛味がなくお子様も食べやすい味わいです(800円)。

 舩越さんは「蕎麦太郎カフェ」など奥多摩・御岳エリアの4つの店舗のオーナーで、プロミュージシャンでもあります。もともと都内を中心に音楽活動をしており、12年前に日原鍾乳洞の音楽イベントのプロデュースの依頼を受け奥多摩に訪れ、その広大な自然の虜に。「初めて奥多摩に来た時は、とにかく“すごいとこだな”という印象。これが東京なのかと、衝撃でした」と舩越さんは話します。現在は店舗の運営を中心に、地域とともに奥多摩の魅力を広めています。

 「今後もエリアの魅力発信イベントを継続開催予定。いずれは、このエリアならではの音楽フェスも企画したいですね」と船越さんは語ります。 Port Okutamaではキーマカレー、ビール、コーヒーなど全てのメニューがテイクアウト可能。地域のお土産品も購入できます。

第一回「おくたマルシェ」奥多摩駅前にて開催

11月18日(土)、19日(日) 開催時間9:00~17:00(両日)

出店

奥多摩産地ビール、地元メーカーのイベント特製Tシャツ、奥多摩の特産品の販売、カナディアンカヌーの展示など

ライブ

18日(土)11:00~11:30
奥多摩 町おこしプロジェクト「Ogouchi Banban Company」
19日(日)13:00~/15:00~
「奥多摩ゴスペルスパークル」

●お問い合わせは蕎麦太郎カフェ(☎0428-83-8160)へ

オーナー 舩越章太郎さん「ミュージシャン仲間にも、地域の魅力を伝えていきたいです」

Port Okutama

コーヒー300円、ドラフトビール500円、ドライカレー800円 全てのメニューテイクアウト可
9:00~17:00(季節やイベントなどにより変更あり)不定休
お問い合わせは蕎麦太郎カフェ(☎0428-83-8160)へ

このページの情報は特に記載のない限り2017年9月現在のものです。●料金、営業時間、定休日などは変更になる場合がありますので事前にご確認ください。●交通機関・徒歩などの所要時間は目安です。●掲載の写真・マップ・イラスト等はすべてイメージです。●イベントは内容・期間などが変更される場合がありますので事前にご確認ください。