かつては交易の道として栄えた、奥多摩駅~小河内ダム(奥多摩湖)間にわたる「奥多摩むかし道」。 今はハイキングコースとして親しまれる、西多摩屈指の紅葉の名所です。
山々の紅葉が深まり、心地よい風が森林を吹き抜ける秋の奥多摩は、景色を楽しみながら散策するのにぴったり。新宿駅から約1時間40分、青梅線利用の場合青梅駅での1回の乗り換えで気軽にアクセスできます。
「奥多摩むかし道」は旧青梅街道の氷川から小河内までの範囲のことで、現在は散策コースとして親しまれ、奥多摩の歴史を感じる神秘的なスポットが点在します。道のりの全長は10キロほどですが、奥多摩駅からバスで約8分「惣岳(そうがく)」バス停で下車し、むかし道に降りて渓谷に架かる吊り橋で紅葉を眺めてから、折り返して散策しながら歩くと、奥多摩の風土が味わえる2時間ほどの軽いハイキングが楽しめます。
歩く以外にも秋風を感じながらサイクリングを楽しんだり、散策後に温泉に入ったりと、多彩な楽しみ方ができるのも秋の奥多摩巡りの魅力です。
「惣岳」バス停下車後、谷を下り、むかし道を川上に5分ほど進むと見える「しだくら吊橋」は、巨岩の集まる惣岳渓谷に架かります。一度に渡れるのは3人まで。橋中央から望む秋の紅葉は、エメラルド色の川面とも相まって息をのむ絶景が広がります。
旧青梅街道は初め成木道と呼ばれ、青梅の成木で生産された石灰を江戸城の改修用に運搬するために、江戸初期に開発されたと言われています。
江戸の中期に、青梅から氷川に抜ける難所であった数馬峡を通る道(数馬の切通し)が開かれ、大菩薩峠を越えて甲府に至るルートとなりました。
明治はじめに整備・開通され、昭和初期から生活の道として利用された現在のむかし道には、奥多摩の大自然や民俗を感じられるスポットが散らばっています。水と緑あふれるこの道で、土地の歴史や文化に触れながら散策すると、心身ともにリフレッシュします。
弁慶の腕ぬき岩から、不動の上滝へ進む途中にも姿をあらわす廃線跡。
むかし道散策の魅力は、旧小河内線が見え隠れする点にもあります。小河内線はセメントなどの小河内ダム(=奥多摩湖)建設用私財運搬のため、昭和27年に敷設された鉄道。青梅線を延長する形で敷かれ、氷川駅(現在の奥多摩駅)から奥多摩湖畔の水根駅までの約10キロの路線でした。
小河内線とむかし道は並行して近い距離にあり、道から橋梁やトンネルが眺望でき、奥多摩産業の史に触れながらハイキングを楽しめます。
しだくら吊橋から奥多摩駅方面へと進み、林道の階段を上ると、小さな広場にたたずむ白髭神社に出会います。東京都指定の天然記念物である大岩の側面に社があり、岩そのものが御神体として祀られています。大岩は高さ30メートル、幅40メートル。
二股大根を供えて祈れば、「結縁成就」といわれています。
腕が入るほどの穴のある自然岩。力持ちの弁慶が抜いたものとして親しまれてきました。高さ約3メートル。
医療が発展途上の頃、耳が悪くなった時は、穴の開いた小石を見つけて供え回復を願ったそうです。
古来より行き交う人々に安らぎを与えてきました。落差約7メートル。
東京市の樹高を誇る、都の指定天然記念物。7.5メートル、樹齢は700年といわれています。奥多摩駅へ向かうルートのゴールの目印。
奥多摩エリアの魅力を秋空のもと堪能できるイベントが、11月18日、19日に奥多摩駅前で開催されます。イベントを手掛けるのは、奥多摩駅舎2階の融合カフェ「Port Okutama」を運営する舩越章太郎さんです。
今回のイベントのテーマは「奥多摩の秋」。当日は3ブースが展開され、Tシャツやカナディアンカヌーなどのご当地ブランドの販売や展示、奥多摩地ビールやPort Okutama特製カレーなどのフード販売、奥多摩産のしめじ・ひらたけや手づくり味噌などの地元特産品の販売が実施。また、両日ともライブコンサートが催され、イベントを盛り上げます。
ドライカレーは辛味がなくお子様も食べやすい味わいです(800円)。
舩越さんは「蕎麦太郎カフェ」など奥多摩・御岳エリアの4つの店舗のオーナーで、プロミュージシャンでもあります。もともと都内を中心に音楽活動をしており、12年前に日原鍾乳洞の音楽イベントのプロデュースの依頼を受け奥多摩に訪れ、その広大な自然の虜に。「初めて奥多摩に来た時は、とにかく“すごいとこだな”という印象。これが東京なのかと、衝撃でした」と舩越さんは話します。現在は店舗の運営を中心に、地域とともに奥多摩の魅力を広めています。
「今後もエリアの魅力発信イベントを継続開催予定。いずれは、このエリアならではの音楽フェスも企画したいですね」と船越さんは語ります。 Port Okutamaではキーマカレー、ビール、コーヒーなど全てのメニューがテイクアウト可能。地域のお土産品も購入できます。
出店
奥多摩産地ビール、地元メーカーのイベント特製Tシャツ、奥多摩の特産品の販売、カナディアンカヌーの展示など
ライブ
18日(土)11:00~11:30
奥多摩 町おこしプロジェクト「Ogouchi Banban Company」
19日(日)13:00~/15:00~
「奥多摩ゴスペルスパークル」
●お問い合わせは蕎麦太郎カフェ(☎0428-83-8160)へ
オーナー 舩越章太郎さん「ミュージシャン仲間にも、地域の魅力を伝えていきたいです」
コーヒー300円、ドラフトビール500円、ドライカレー800円 全てのメニューテイクアウト可
9:00~17:00(季節やイベントなどにより変更あり)不定休
お問い合わせは蕎麦太郎カフェ(☎0428-83-8160)へ
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