かつて林業や織物業で栄えた青梅・五日市線沿線には、当時の歴史や文化を伝える古民家がたくさんあります。こうした古民家を改装した食事処やカフェもあり、この地域の山の幸、川の幸を味わいながらゆったりと癒しの時間を過ごすことができます。風情ある古民家で、極上のひとときを過ごしてみませんか。
燈々庵の食処に花を活ける高水謙二さん
「日頃の喧騒を忘れて、くつろいでいただける空間づくりを心がけています」
高水謙二さんは、かつて林業や製糸業で栄えたあきる野市五日市に生まれ育ちました。18歳のとき、家業の製糸業が倒産。キャンプ場を開いたものの、台風でバンガローが流され、さらには自宅まで火事で焼けてしまいました。そうした人生のピンチに、座禅で訪れた山寺のお坊さんの言葉、「自分の足元を見直してみなさい」が人生の転機になったそうです。
それまで何の価値も見いだせなかった古い家、竹林、山菜・・・。こうした昔から地域に有るものを生かして、50年ほど前、高水さんは兄と山里料理の店を始めました。「黒茶屋」と名付けたのは、鴨居も柱も長い年月を経て黒茶色と化していたから。食器が買えず、竹を切って器にしたり、木の葉や実などを利用したり。そうした苦肉の策が、「風情がある」と評判を呼び、いつしか遠方からも客が訪れる名店になりました。
黒茶屋の客室のテラス席
燈々庵の正門入口
黒茶屋に続き、旧家の土蔵を改装した燈々庵、明治初期の屋敷を活用した井中居と、3店舗を経営する高水さん。最も大切にしていることは、美しい山と川に囲まれたこの地域の良さ、温かい心が息づくこの地域の伝統文化を生かすことだそうです。地元でとれた旬の食材を使い、地域の自然と同化した空間をつくり、心温まるサービスでお客さまをもてなしています。 高水さんのもとには、古民家をどう活用したらよいかという相談も多く、古民家再生アドバイザーとしても活躍しています。
秋川渓谷を眼下に望む築250年の庄屋屋敷で、川魚の炭火焼と旬の山里料理が味わえます。平日昼3,900円~、コース料理4,800円~。
茅葺きの門をくぐると、そこはまるで山里のふる里のような空間
どこの客室からも庭が望めます
楽庵では川の幸を炭火で焼いて提供
庭園内にはおやきを売る店も
黒茶屋スタッフ 竹中南々さん「お庭の紅葉を眺めながら、ゆっくりお召し上がりください」
JR武蔵五日市駅から檜原方面行バス「西小中野」バス停下車、徒歩約2分
11:00~21:00(受付20:00まで) 火曜定休(祝日は営業)4・5・8・10・11月は無休
☎042-596-0129
江戸中期の蔵を改装した食事処で本格的なコース料理が楽しめます。陶器等を展示したギャラリーも必見。昼の懐石4,800円~、夕の懐石6,000円~。
燈々庵のテラス席
食処1階のカウンター席
ギャラリーでは企画展や常設展を開催
食処2階のテーブル席
燈々庵サブマネージャー 清水公子さん「日本文化の素晴らしさ、日本人の心を感じてください」
JR東秋留駅から徒歩約10分
11:00~16:30(受付15:00まで) 17:00~22:00(受付20:00まで) 火曜定休(祝日は営業)
☎042-559-8080
門をくぐり竹林の中の小道を行くと格子の美しい古民家があり、風情ある空間で創作和食が楽しめます。昼の懐石4,500円~、夕の懐石5,500円~。
井中居の入り口
明治初期に建てられた格子の美しい古民家
1階しつらえの間から庭を望む
ギャラリーで名品を鑑賞
井中居 高水洋介さん「1階しつらえの間はギャラリーになっています。名品をご鑑賞ください」
JR小作駅東口から河辺駅北口行バス「藤橋」バス停下車 徒歩約5分
11:00~16:30(受付15:00まで) 17:00~22:00(受付20:00まで) 火曜定休(祝日は営業)
☎0428-30-1661
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