標高929mの御岳山は秋の訪れが比較的早く、毎年10月中旬頃から木々が色づき始めます。特に、苔むした岩の間を清流が流れるロックガーデンは、歩きやすくて紅葉ハイキングに最適です。歩き疲れたら道中にある綾広の滝の前でひと休み。山頂の武蔵御嶽神社の神事の場でもあるこの滝は「修行みそぎの滝」とも呼ばれ、辺りは幽玄な雰囲気に包まれています。

タイヤメーカー、ブリヂストンの保養所であるブリヂストン奥多摩園は、知る人ぞ知る紅葉の穴場。整備された広大な庭園は一般にも開放されています。入園料は大人200円（税別）、小人100円（税別）。11月頃になるとモミジが園内を真っ赤に染め、絵画のような美しさに包まれます。JR石神前駅から歩いて約2分とアクセスのよいおすすめポイントです。

御岳渓谷は、巨岩の間を裂くように水が流れるダイナミックな景観が楽しめる紅葉散策の定番コース。川近くの遊歩道沿いには日本画の巨匠・川合玉堂の作品を展示した玉堂美術館や酒蔵、食事処、カフェなどがあります。11月には玉堂美術館前の大イチョウが黄金色に輝き、観る人々を魅了します。

巨岩や奇岩の間を縫うように水が流れる鳩ノ巣渓谷は、奥多摩随一の紅葉スポットです。ぜひ訪れたいのが、渓谷にかかる雲仙橋や鳩ノ巣小橋。橋の上からでも川底が見えるほど透き通った清流と、その清流を覆う色づいた木々が織りなす情景は、圧巻のひと言です。また、遊歩道を歩いて白丸ダムまで進むと、魚の遡上を助けるための魚道を見ることができます。

東京都の天然記念物に指定される日原鍾乳洞。年間を通して11℃という洞内にひとたび足を踏み入れると、つらら状に垂れ下がる鍾乳洞や石柱が乱立する別世界が広がります。3cm伸びるのに約200年かかるとされる鍾乳洞の神秘に思いをはせながら、一周約40分の洞内を散策してみてください。付近の日原渓谷は紅葉の名所としても知られ、11月初旬～下旬には、切り立った岩と色づいた木々が美しいコントラストを描きます。

かつては交易の道として栄えた奥多摩むかし道。旧青梅街道の氷川から小河内までの範囲を指すこの道は、全長約10kmの間に、「弁慶の腕ぬき岩」「耳神様」「縁結びの地蔵尊」など、歴史や文化に触れられる数多くのスポットが点在します。土地の歴史や文化に触れ、どこか懐かしい気持ちに浸りながら散策できるハイキングコースです。

あきる野市にある広徳寺は1373年に創建された格式あるお寺で、屈指の紅葉スポットとして知られます。茅葺屋根の重厚な山門をくぐると、出迎えてくれるのが2本の大イチョウ。11月頃からイチョウの葉が鮮やかに黄葉し、落葉すると黄金色のじゅうたんで埋め尽くされます。黄色く色づいたイチョウと重厚な山門のコントラストは壮観のひと言です。

里山の雰囲気が色濃く残る秋川渓谷は、随所に紅葉スポットがあり、趣の異なる紅葉を楽しむことができます。特に、秋川渓谷瀬音の湯に近い吊橋、石舟橋からの眺めは絶景。それぞれ深い緑、赤、黄色く色づいた木々と清流が広がる渓谷美を堪能できます。石舟橋からしばらく歩くと、集落の高台には龍珠院が。静かな境内でイチョウや楓などを楽しめる、風情ある古刹です。